老猫がご飯を食べない原因はいろいろありますが、まずは獣医に診てもらうことをおすすめします。
この記事では、猫が食欲不振になる原因、ご飯(キャットフード)を食べてもらう工夫をまとめました。
若い頃に比べて食べる量が減るのは、運動量が減って体が衰える老猫ならごく普通のこと。ですが、食べなさすぎは健康状態に影響が出てしまいます…。
我が家にも腎臓の悪い13才のシニア茶トラ君がいます。長生きして欲しいから、できることは何でもしてあげたいと思っています。
栄養としての食事と嗜好としての食事、そしゃく・飲み込み・消化を考えて、
あなたの飼い猫ちゃんが自分で食べてくれるように、手をつくしてあげてくださいね。
老猫がご飯を食べない原因は!?食欲不振を改善する工夫【長生き】
【病気が原因で食べない】こんな時はすぐに病院に連れていく!
ご飯を食べなくなる猫の病気はたくさんあり、食欲以外の症状も現れて元気がなくなります。
獣医さんも触診と検温だけでは判断がつかず、血液検査をしてはじめて病名がわかることも多いです。
【老猫がかかりやすい食欲不振になる病気】
- 腎臓病
- 膀胱炎
- 尿路結石症
- 糖尿病
- ホルモンの病気
そのほか、猫風邪・感染症などがあります。
糖尿病はご飯を食べずに水をたくさん飲んで頻尿になり、おしっこ量が増えてうんちがゆるくなりやすいです。
膀胱炎・尿路結石は、トイレに入ったり出たりを繰り返し元気がなくなります。
代謝機能をつかさどる腎臓の病気は、10才以上になるシニア猫の3割がかかると言われていますが、飼い主さんが自己判断することは出来ないでしょう。
どの病気も急性と慢性があり、飼い主さんが異変に気がついた時はかなり悪化していることも!
食べない・飲まないといった行動は気分によって変わるものの、わかりやすい症状として出るのが「体重の減少」です。
お腹まわりや顔つきが以前より細くなっていたら、迷わず病院に連れていきましょう。
【口の中の異常が原因でご飯を食べない】セルフチェックをして改善できなければ病院へ!
老猫になると歯と歯茎が弱り、抜けてしまったり歯茎が出血・炎症をおこしやすくなります。
まれに、固体の異物が歯に挟まっている・固体の異物を飲みこんでしまっている猫もいます。
無理やり取り出すと口の中やのどを傷つけてしまうので危険ですが、
猫を動かないようにシッカリと固定して(数人の補助に手伝ってもらい)ピンセットで取れる場合もあります。
原因を見つけ飼い主さんが処置したあと、猫ちゃんの食欲が戻ればひとまず安心ですね。
【口の中の異常が原因で食べられないようだけど…】
- 自宅での処置が難しい
- 処置後に元気がない・食べない
- 口の中を気にするしぐさをする
- 食べ方が不自然
こんな時は、すぐに病院で診察を受けましょう!
【自宅でできること】食べない老猫の食事の工夫
すでに病院に通っていて、「あとは食事で栄養を取るしかない」「なのに食べてくれない」という老猫ちゃんには、フード選びと与え方を工夫してみましょう。
病院から食事療法食(腎臓病・肝臓病・糖尿病など、特定の病気の猫専用に作られたキャットフード)をすすめられているのなら、
ほかのご飯は与えず食事療法食だけ与えてくださいね。
市販品なら、老猫・シニア猫用に作られたフードがおすすめです。
着色料など添加物を多く含むフードをさけ、粒が小さめのものを選んだほうが、食べやすく飲み込みやすいですよ。
食事を上げる器は、へりが深いお椀型の方がフードが滑らず食べやすいです。高さを出してあげると首を床まで下げなくて良く、体への負担が軽減されます。
うちで使っている食器は「猫壱」。見た目も可愛くて、私も気に入っています✨
(楽天より)
陶器で作られているため、倒して割ってしまうおそれがあるものの、プラスチック製品よりも衛生的に管理できます💡
食事療法食を食べてくれない時の工夫
食事療法食は、嗜好(味の美味しさ)よりも栄養バランスをメインに考えて成分配合されたキャットフードです。
そのため、市販のフードよりも美味しくないと感じる猫が多いようで、「食事療法食に切り替えてから食欲がなくなった」と感じる飼い主さんも多いでしょう。
工夫としてすぐできるのは、次の2つです。
- ウエットフードとドライフードを混ぜる
- ドライフードを水でふやかす
食事療法食には缶詰・パウチ梱包されたウェットフードもあります。
ウェットを単体で与えるか、ウェットとドライを混ぜて少しふやかしてからあげると、やわらかくなり風味もよくなります。
また、キャットフードをお皿に盛り、ひたひたになるくらいお水をかけて軽くレンジで温めると、鼻をひくひくさせて興味をしめすかもしれません。
(写真挿入予定)
ご自宅にある食事療法食をどうしても食べてくれない時は、獣医さんに相談して別メーカーのフードに変えることも検討しましょう。
食事療法食を製造販売しているメーカーは、いくつかあります!
ペットショップでおいている有名なメーカーは、「ロイヤルカナン」「ヒルズ」で、ネットショップでは「アニモンダ」というメーカーも人気です。
(*メーカーによって成分が違うため、切り替え前に病院で相談したほうが安心です。
市販品にも「肥満猫用」「下部尿路予防用」といった商品がありますが、病気を治療するためのフードではないのでお間違えのないようご注意ください!)
噛み砕くのが苦手な猫ちゃんの食事の工夫
あごの力が弱っていたり、歯と歯茎でしっかりと噛むのが難しい老猫ちゃんには、フードの大きさと固さを工夫しましょう。
ドライフードよりウェットフードのほうが、食べやすく飲み込みやすいですね。
ウェットに水を加えて軽く温め、ドロドロのスープ状態にすると舌ですくい取って食べることもできます。
ドロドロは嫌い!
ドライフードじゃないとヤダ!
だけど食べられない!
こんなジレンマにおちいっているシニアさんには、フードを割って小さくして与えてみましょう。
【体験談】
我が家の老猫が食欲のなかった時、ドライキャットフードを1粒ずつペティナイフで半分に割ってあげたことがあり、すっごい大変でしたが……
ある時、思いつきでジッブロックにフードを入れて口を閉じ、麺棒で荒く叩いて潰して与えたところ、粉まででしっかりと食べてくれました!
粒の大きさにばらつきがあるのも、逆に食べやすいのかな?と感じました。
(写真挿入予定)
キャットフードのたたき飯、よろしければお試しくださいね。気に入ってくれると嬉しいです💡
食べる量が少ない老猫ちゃんの食事の工夫
ご飯を食べる量が少ないと、栄養不足が心配!
猫は年齢を重ねると味覚と嗅覚がにぶるので、動物病院では「嗜好性よりも栄養がしっかり取れるキャットフード」がすすめられます。
でも、猫ちゃんの味覚は個々に違いますし、食感だったり味や風味の好き嫌いがありますよね。
有害な添加物を使わない健康志向のキャットフードは、香料たっぷりのフードよりも食べつきが悪くなりがち。だからといって、体に悪いものは食べさせたくない……。
そこで、キャットフードはメインに使われている原材料で選んでみると、意外と食べてくれたりします!
【いろいろなキャットフードがあります】
- チキン・ターキーなど動物性たんぱく質がメイン
- サーモンなど魚系たんぱく質がメイン
うちの茶トラくんはサーモンをたっぷり使った「シンプリー」というキャットフードが大好きで、がっついて食べてくれます。
メインは下部尿路疾患用の食事療法食・ヒルズ「C/D」を食べさせているけれど、飽きて嫌になってしまうようで💦
「C/D」は下部尿路疾患にかかり治療した猫が、状態が悪化しないように成分配合されたキャットフードです。治療改善というよりも、現状維持ですね。
なので、たまには美味しいものを食べさせてあげたい!と思った時、シンプリーを与えています。
いつも可愛いね、長生きしてねという想いを込めて……。
シニア用のおやつも出ていますが、やっぱり塩分と添加物が気になります。美味しさと栄養の両方を考えると、無添加キャットフードを選びたいですね✨
(*うちの茶トラくんはシンプリーが好きですが、どの猫ちゃんも好むというわけではありません。
もし、いろんなキャットフードをあげたけどお気に入りが見つからないという猫ちゃんでしたら、一度お試しいただきたいです!)
元気がない弱った老猫には流動食を与える
食べない、食事をする元気がまったくない猫ちゃんは、流動食の強制給餌(きょうせいきゅうよ)が必要となる場合があります。
獣医さんにしっかりと指導を受けてから与えてくださいね。
水分と栄養不足で衰弱しているようなら、まずは点滴で脱水状態を回復させてあげる治療を行うことが多いです。
そのうえで、飲み込ませてあげる量とフードの固さ・回数を決めて、流動食を飲み込ませましょう。
猫ちゃんに食べる気力がもどれば、できるだけ自力で食事をさせます。これは飼い主さんの負担を軽くするだけでなく、生命力を失わせないためにも大切なこと。
器のキャットフードは食べないのに、飼い主さんが手のひらにのせて口元まで持っていくと食べる… ということもあります。
流動食を始めたら回復をみて、いつまで続けるかも合わせて獣医さんと今後のことをご相談ください。
【まとめ】長生きしてほしい猫ちゃんにご飯を食べてもらうために
老猫が食欲不振になる原因として病気と口の中の異変、ご飯を食べてもらうための工夫をご紹介しました。
獣医さんを頼るしかない。
飼い主がしてあげられることは限られている。
あまりに食べてくれない猫を前に、気持ちが落ち込んでしまうこともあると思います。
このまま元気にならなかったらどうしようと、不安で眠れなくなったり…。
飼い主さんも、どうか無理をしすぎないでください。食事をして、寝られる時に眠りましょう。
これまで飼い猫ちゃんが、元気で幸せに生きてこられたのは、飼い主さんがそばにいたからです。今も「早く元気になってほしい」と心から願ってくれているから、
だから猫ちゃんは幸せなんです。
この記事でご紹介した方法が、少しでも参考にしていただければ幸いです。
獣医さんの二人三脚のつもりで、1日も早くご飯を食べてくれるように猫ちゃんにあった工夫を探してあげましょう。